朝凪公園
朝凪公園という名を聞けば、まだ誰も起き出さぬ港町の、静まり返った海辺を思い浮かべるが、この公園はまさにその幻影を地上に引き寄せたような場所である。中央には青き舟形の遊具がどんと構え、まるで出航の時を待ちながら、訪れる者を無言のまま誘っている。
端にはテトラポットが配され、どこからともなく潮の香りが漂ってくるような錯覚にとらわれる。燈台風のトイレは、奇妙なほど堂々としており、この小さな公園にひとつの物語の軸を与えているかのようだ。さらにスクリューのオブジェが、回ることもなくそこに在り続けることで、時間の流れさえゆるやかに撹拌している。
気づけば、ここはただの遊び場ではなく、陸にいながら海を彷徨うための装置であると知る。朝凪の名にふさわしく、心の波もまた、いつの間にか静かに凪いでいくのである。







