あすなろ児童遊園
アップデート:2026/07/08

あすなろ児童遊園で足が止まるのは、やはりラダー遊具だろう。けれど、ただのラダーではない。大きな輪にさまざまな方向から登れるつくりになっている。その姿を眺めているうちに、「環状線ラダー」と勝手に名付けたくなる。登り方はひとつではない。正面から挑んでもいいし、横から回り込んでもいい。輪を経由して別のルートへ進めば、遊び方は自然と枝分かれしていく。
たったひとつの遊具なのに、一本道では終わらないところが面白い。子どもたちは難しいことなど考えず、自分だけの道を見つけて登っていく。その姿を見ていると、遊具とは体を動かすためだけのものではなく、小さな選択を楽しむための装置なのだと思えてくる。
もちろん、公園にはブランコや滑り台もある。昔から親しまれてきた遊具が並ぶことで、環状線ラダーの個性はいっそう際立って見える。それぞれが主役を奪い合うのではなく、お互いを引き立てながら、この公園らしい景色をつくり上げている。
あすなろ児童遊園がある墨田区東向島一丁目は、下町の穏やかな空気と東京スカイツリーを身近に感じられる街だ。昔からの住宅街の中に、新しい景色が自然に溶け込んでいる。その街並みと同じように、この公園も昔ながらの遊具と少し個性的な遊具が肩を並べている。
何気なく見過ごしてしまいそうなラダー遊具も、少し立ち止まって眺めてみると、登るたびに違う景色を用意してくれる。そんな発見が、この小さな公園には静かに息づいている。






