行徳中央公園
アップデート:2025/12/06

行徳中央公園に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは堂々たる昭和の気配をまとった大規模な複合遊具である。色鮮やかなパイプや階段が複雑に入り組み、まるで時代の残り香がそのまま形になって残っているかのようだ。タワーへと続く道のりを登れば、風が背中を押し、視界が少しずつ広がっていく。頂上に立つと、日常の喧騒がふっと遠のき、公園全体がひとつの物語の舞台として眼下に広がる。
そこから伸びる通路は、空中散歩のために用意された細い橋のようで、足を運ぶたびにわずかに揺れ、胸の奥に静かな冒険心が湧き上がる。滑り台を滑れば風が頬をかすめ、ジャングルジムを渡れば身体が忘れていた動きを思い出す。遊具ごとに異なる時間の流れが宿っているようで、触れるたびに別の世界へ連れ出される。
広々としたグラウンドに出れば、空が途端に大きく開け、草の匂いが風に混じる。走り回るだけで心が軽くなるような解放感があり、公園全体がひとつの壮大な遊び場として呼吸している。行徳中央公園には、かつての遊び心と新しい風がひそやかに共存している。訪れれば、思いがけない冒険が待っている。










