調布台タブノキ公園
アップデート:2025/08/08
かつて市営住宅が肩を寄せ合って建っていたその一角に、今は風の通り抜ける「調布台タブノキ公園」がある。名前の通り、公園の片隅には大きく枝を広げたタブノキが鎮座し、過ぎ去った年月をものともせず、悠然と季節を見送っている。
園内には鉄棒と雲梯が並び、それぞれが陽光を浴びて鈍く光っている。かつての子どもたちの笑い声がまだ金属に染み込んでいるかのようで、手をかければ、遠い日の午後の温度がふっと甦る。加えて、現代の感覚に応えるように健康遊具も設置されており、体を伸ばし、回し、ひねるたび、なんだか血の巡りまで良くなる気がする。
ここは単なる運動の場ではない。往時の暮らしの記憶と、未来へ続く健康の約束が、タブノキの影の下でひっそりと手を取り合っている場所なのだ。