原公園
アップデート:2025/08/13

原公園は、神社の参道脇にひっそりと腰を落ち着けている。鳥居をくぐる前の、わずかな余白のような場所。そこには、人の背丈の半分ほどしかない超低い滑り台が、まるで控えめな挨拶をするように置かれている。子どもたちは、その小さな高さを何度も往復し、登っては滑り、滑っては登り、終わらぬ儀式のように遊び続ける。
隣にはブランコが風に押されて揺れている。その揺れは、神社の境内を流れる静けさと呼応しているかのようだ。公園の周囲にはベンチがほどよく点在し、腰掛ければ、時間がすこし緩む。木漏れ日の中、鈴の音や落ち葉のざわめきが微かに混ざり、日常と非日常の境目に立っているような心地になる。





