東山貝塚公園
アップデート:2025/10/13
東山貝塚公園――その名を聞くだけで、時の層が静かにめくれあがる。ここは縄文の人々が暮らした地であり、海の記憶を宿す貝殻たちが、今も土の中で眠っている。竪穴式住居の復元がひっそりと佇み、風が吹くたびに遠い太鼓の音がかすかに聞こえるようだ。遊具はひとつもない。それがこの公園の潔さでもある。
せせらぎがかすかに光をまとい、木々の葉が語りかける。かつてこのあたりで焚かれた火の煙が、まだ空のどこかに残っている気がする。ここでは遊ぶというより、時をなでるのだ。縄文の気配を肩越しに感じながら、ゆっくりと深呼吸をする。東山貝塚公園は、時間そのものがベンチに腰かけているような、静謐な場所である。









