釜池公園
アップデート:2025/08/23

釜池公園は、まるで芝生そのものが大地の毛布であるかのように一面を覆い尽くし、訪れる者を柔らかく迎え入れる。
そこに据えられた遊具たちは、人工物でありながら緑に抱かれ、ひとつの風景として溶け込んでいる。なかでも主役は、時代の名残を漂わせるレトロな滑り台である。その姿はどこか懐かしく、幼き日々に戻るような錯覚を誘う。
ゆるやかに傾斜するそのフォルムは冷たさを知らず、むしろ芝生とともに優しさをまとい、子供たちの笑い声を受け止める器となる。傍らの砂場は陽だまりのように穏やかで、遊ぶ者の想像力を無限に広げていく。すべてが調和し、刹那の時間を永遠へと変える舞台がここにある。芝生の上に寝転ぶと、風のささやきと遠い記憶が重なり合い、心をふわりとどこか遠くへ運んでいく。




