稲城市公園探訪

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大丸谷山公園は、どこまでも続く一本道の果て、まるで誰かに選ばれし者だけがたどり着く終着点のような場所に現れる。
坂道を登りきった先に、ふいに広がるのは開放感に満ちた円形の空間。まあるく配置されたベンチたちが、何かの儀式を待っているように並び、その中心にはひっそりと芝生への階段が口を開けている。

上に登れば緑に包まれた秘密の広場。そこにある滑り台と鉄棒は、装飾でも添え物でもなく、まるでこの地に昔から棲んでいた生き物のように、風のなかで静かに人を待っている。
大人になった今でも、こうした地形の演出に心がほどけるのは、たぶん坂道と芝生と空とが手を組んで、小さな祝祭を準備してくれているからだろう。