押立堀公園
アップデート:2025/09/10

押立堀公園に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは空へと伸びる火の見櫓である。その姿は、かつての時代を呼び戻すように凛として佇み、公園全体に独特の緊張感と安らぎを同時に漂わせている。傍らには手作りのパーゴラが影を落とし、木漏れ日の下で腰を下ろせば、どこか素朴な温もりが身に沁みる。
ここには遊具という華やかな賑わいはないが、その代わりにせせらぎが静かに流れ、訪れる者を包み込む。子どもの声がなくとも、この場所には穏やかな時間の音楽がある。遊ぶというより、思索し、息を整えるための公園。立ち止まれば、時代の残り香と水の気配がそっと寄り添ってくる。






