砂見公園
アップデート:2025/04/09

砂見公園は、その名の通り、砂の記憶を封じ込めたような地に建つ。中央に鎮座するのは、まるで古代の遺構のような重厚な複合遊具であり、錆びついた歯車のような存在感で、周囲を圧倒している。
高低差のある構造は、どこか異世界の砦を思わせ、ひとたび足を踏み入れれば現実感がじわりと遠のく。
周囲には健康遊具が点在し、奇妙に律儀な静けさの中に、身体を動かすことの意味を問いかけてくる。
さらに目を凝らせば、日向で微動だにしないネコと、笑っているように見えるライオンのスプリング遊具が、砂とともに時をやさしく撫でている。かつて遊び、そして忘れられた記憶の残骸が、風とともに漂う場所である。






