上入公園
アップデート:2025/09/17
上入公園には、ひと目見ただけでは語り尽くせない奇妙な魅力が息づいている。園内の中心にそびえるのは、カラフルな装いをまとった巨大なタコ。緑や青が陽光に反射してきらめき、その吸盤めいた曲線は複合遊具と溶け合い、まるで子どもたちの夢そのものが具現化したかのように広がっている。
足元にはブランコやシーソーが待ち構え、訪れる者をそっと誘いながら、軽やかな風に合わせて音もなく揺れる。タコを見上げれば、どこか遠い異国の港町に迷い込んだような気持ちになり、遊具を駆け回れば、幼き日の勇気が胸の奥から呼び覚まされる。
園の端には頑丈なパーゴラが影を落とし、ひと息つく大人たちに穏やかな休憩を与えてくれる。タコを眺めていると、いつのまにか時間の輪郭が曖昧になり、午後の陽射しとともに日常が静かに溶けてゆく。