玉川学園すみれ児童公園
アップデート:2025/11/23
玉川学園すみれ児童公園に足を踏み入れると、まず視界の真ん中に、ひっそりと息づく砂場が現れる。まるで公園という小さな宇宙の中心点のように据えられ、そこを起点に静かな時間が渦を描いている。砂の粒は陽光を受けて淡く煌めき、訪れる者の想像力をじんわりと刺激する。
砂場を囲むように、滑り台と鉄棒が配置されているのも心地よい。滑り台は、山の尾根のようにしずかに傾斜し、子どもたちの歓びを受け止める準備をしている。
鉄棒は風に金属の小さな音を鳴らしながら、どこか古い寺社の鈴のような、落ち着きを帯びた気配を漂わせる。
そして、この公園の真骨頂はパーゴラにある。まず緑の屋根が影を落とし、その上からさらに大きな木々が枝葉を広げ、二重の緑が重なり合っている。
光と影が複雑に編まれ、地面に柔らかな模様を描く。そこに座ると、自分がひとりの来訪者というより、森のなかで秘密の休憩所を見つけた旅人のような気分になる。
玉川学園すみれ児童公園は、遊具たちがひとつの中心を囲み、緑がそれらを優しく包み込む、小さくも奥ゆかしい庭園のような場所である。
気づけば、風と緑と砂の匂いが胸の奥をゆっくりと満たしていく。そんな静かな魅力が、ここにはある。








