みゆき児童遊園
アップデート:2025/07/10

みゆき児童公園には、まるで物語の序章のような風景が広がっている。住宅街の中にひっそりと佇むその公園は、まず一際背の高い木に迎えられる。幹は太く、枝は傘のように広がり、その下にはベンチが潜んでいる。まるで木そのものが訪れた者を休ませようと差し出してくれているかのようだ。
そして奥へと足を進めると、鮮やかな色彩を纏った複合遊具が現れる。赤、青、黄、緑――まるで夢の断片を組み合わせたような形をしていて、どこから登るか、どこから滑るか、子どもたちはひとつひとつのルートに物語を見出す。日差しが差し込むたび、木々の隙間からこぼれる光が遊具の表面に影を落とし、時の流れを緩やかに演出する。遊びも休息も受け入れてくれるこの空間は、ただの児童公園というより、小さな劇場のようである。






