元町公園
元町公園に近づくと、まず目に入るのは威厳をたたえた入口である。まるで長い歴史を知る門番のように、静かに来訪者を迎え入れる。中へ足を踏み入れると、かつて多くの子どもたちを送り出した滑り台が、いまは滑ることのできないモニュメントとして復刻されている。
その姿を眺めていると、どこか遠い時代の遊び声が聞こえてきそうだ。砂場ではそんな懐かしさを感じながら手を動かし、少し歩けば地形を活かした幅広の滑り台が待っている。さらに視線を遠くへ向ければ中央線が走り抜け、列車の気配がこの場所の時間に軽やかなリズムを添える。パーゴラのベンチに腰を下ろせば、その風景をゆっくり味わえる。
昭和五年の開園当時、東京市の小公園で随一の眺望と称された理由が、静かに理解できる場所である。








