中道公園
アップデート:2025/08/12
中道公園は、まるで街の真ん中に忽然と現れた小さな王国のようだ。広々とした敷地に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは黒く堂々としたSL複合遊具。その鉄の巨体は、ただの遊具であることを忘れさせ、汽笛こそ鳴らさないが、見る者の胸に旅情を呼び覚ます。車輪を模した階段を上り、トンネルのような滑り台を抜ければ、気分はもう遠い駅のホームに立つ旅人だ。
公園の中央をゆるやかに横切るのは、長く伸びたせせらぎ。澄んだ水は日差しを受けてきらめき、小さな子どもたちは裸足になってその流れを追いかける。水音は風のざわめきと混ざり合い、都会の雑踏を遠くに押しやってしまう。せせらぎ沿いには木々が影を落とし、そこに腰を下ろせば、時間は一瞬だけゆるやかにほどける。
ブランコは風を受けて静かに揺れ、健康遊具は訪れる大人たちの背筋を正す。遊びと休息、自然と人工物、そのすべてが穏やかに混ざり合い、中道公園は今日も訪れる人々を静かに迎え入れている。