業平公園
アップデート:2026/05/29
業平公園に足を踏み入れると、まず不思議な光景に出会う。パーゴラ付きの砂場がフェンスに囲まれているのだが、その周囲には動物たちが集まっている。互いに向き合いながら何やら相談事でもしているようで、長いあいだここで暮らしてきた住民のような落ち着きを見せている。
面白いのは、その配置である。普通ならフェンスの中にいるのは動物のほうだろう。しかしこの公園では立場が逆転している。フェンスの内側で遊ぶのは人間であり、動物たちは外側からそれを眺めている。まるで人間のほうが展示されているかのようで、しばらくいると、自分がどちら側の生き物なのか少し怪しくなってくる。
園内には大型の複合遊具やブランコがあり、さらにせせらぎも流れている。夏になれば水遊びの歓声が響き、東京スカイツリーはその向こうで悠然と空を支えている。近未来の塔を眺めながら水辺で遊ぶというのも、なかなか贅沢な眺めである。
そして、この場所ではかつて少年時代の王貞治が野球に明け暮れていたという。遠い日の白球の軌跡と、動物たちの無言の会議と、スカイツリーの影。いささか脈絡のないそれらが不思議と共存しているところに、この公園ならではの魅力がある。気づけば、自分もまたその奇妙な風景の一部になっているのである。
第二次世界大戦が終わり、日本の復興が始まった頃、この小さな公園で、夢中になって三角ベースボールを楽しむ子ども達の中に、世界のホームラン王、王貞治の少年時代の姿がありました。王少年の打ったボールは、たびたび隣の小学校(旧校舎)の屋上を越えるほどの大飛球でした。野球人、王貞治の原点がここにあります。








