西日暮里公園
アップデート:2025/06/14
西日暮里公園は、かつて「道灌山」と呼ばれ、江戸の人々が春の宴に浮かれた名残を今もひっそりととどめている。駅前の喧騒を一歩抜ければ、そこには時間がゆるやかに流れる不思議な静寂がある。
小ぢんまりと置かれたブランコは、風と共に往復し、鉄棒は昼下がりの光を受けて少しばかり誇らしげに輝く。往来のすぐそばでありながら、ここだけは都市の時間から切り離されたような空間で、季節の気配が確かに息づいている。江戸の残響と、令和の気配が混ざり合う、ひそやかな憩いの地である。