千駄ヶ谷児童遊園地
アップデート:2025/12/18
千駄ヶ谷児童遊園地は、街の隙間にきちんと収まるように息をひそめる公園である。かつての賑やかな要素を脱ぎ捨て、リニューアル後は複合遊具だけを残した姿は、拍子抜けするほど潔い。しかし、そのすっきりとした佇まいこそが、この場所の新しい魅力となった。
密集した街並みのただ中で、余計なものを削ぎ落とした空間は、空と光を思いのほか大きく感じさせる。複合遊具は一基ながら、登り、渡り、滑るという基本動作が凝縮され、遊びの本質だけが残されている。
雑多な都市を歩き疲れたとき、この簡潔な公園に立ち寄れば、思考も身体も軽くなる。千駄ヶ谷児童遊園地は、都市生活の途中で深呼吸するための、小さく整えられた余白なのである。



