田端公園
アップデート:2025/04/23
田端夢幻城
田端公園に、それはある。
山なのか、城なのか。
あるいは――夢そのものか。
滑り台が空へと伸び、
塔は雲を貫こうとし、
階段は螺旋を描いて
小さき冒険者たちを誘う。
この巨大遊具はただの遊具ではない。
かつては誰かの妄想であり、
今は子供たちの聖域。
その周りを、
動物たちが無言のまま応援し、
サンゴと貝が、
海から陸への大冒険を語る。
これは滑って遊ぶだけの構造物ではない。
心を掴み、現実を越え、
田端の空を裂く
一種の現象である。
このスケール感は反則だ。
だが、誰も止められない。
なぜならここは――
田端夢幻城。
子供たちが世界の中心になる場所だ。
田端公園に足を踏み入れると、まず視界を奪うのは、山のように聳え立つ巨大な遊具である。山型の骨格に、城の意匠が融合し、滑り台や登坂ルートが複雑に絡み合いながら、子どもたちの幻想を掻き立てる。
その足元では、動物たちが遊ぶ――もちろん無邪気なモニュメントであるが、それすらもこの異世界の賑わいに一役買っている。よく見ると、サンゴや貝殻までが地面に現れ、海と山と城とが一堂に会するという、地形と時間の無視された祝祭空間。
常識が黙るほどのスケール感が、誰の心にも何かしらの冒険を呼び起こす。ここは公園であると同時に、ひとつの夢の模型なのだ。