田端台公園
アップデート:2025/04/09
田端台公園は、空に手が届きそうなほど高台に佇み、新幹線が風のごとく駆け抜けていく姿を一望できる、まるで天空の縁側のような場所である。ここには、日々の営みとは別の時間が流れている。展望パーゴラは、浮かぶ書斎であり、思索のための船室であり、過ぎゆく雲と列車の残像を見送りながら、自分がどこから来て、どこへ向かうのかを考えさせられる場でもある。
線路を利用した看板は、ただの装飾ではない。それはこの土地が長いあいだ鉄道と共に生きてきたという、無言の語り部である。
遊具に化けた機関車は、現実を少しはみ出した夢の乗り物であり、子どもたちを見えない線路に乗せて、遠い遠い空想の駅まで運ぶ。ここでは風が鉄と語らい、芝生は記憶を抱き、遠く走る車輪の音が、人生の遠近法をそっと調整してくれる。
田端台公園とは、ただの公園ではない。それは、鉄道と空と遊具が結託して、人間の想像力に静かな挑戦を仕掛ける、小さな詩的装置なのだ。