高砂北公園
アップデート:2025/08/30
高砂北公園は、町のざわめきのただ中にひっそり広がる異世界の入口のような場所である。広々としたグラウンドは、駆け出す足音を軽やかに受け止め、空を仰げばどこまでも続く余白が心を解き放つ。遊具の一角には、螺旋を描きながら滑り降りるトルネード式の滑り台がそびえ、子どもたちの歓声を吸い込んでいる。
ジャングルジムはまるで秘密の塔のように組み上げられ、そこを登る者は小さな冒険者となる。そしてその横を、京成線の電車が律儀に走り抜ける。高架をくぐる響きが、遊ぶ子どもたちの息づかいと混じり合い、日常と非日常の境目を曖昧にしてしまう。都市の中でふいに開かれたこの小宇宙に足を踏み入れると、誰もが時を忘れ、物語の住人になるのだ。