堤児童公園には、なにやらのんびりしたパンダがごろごろしている。時間の流れとは別のリズムでまったりと佇むその姿に、訪れた者は次第に引き込まれていく。
複合遊具は鮮やかな色をまとい、子どもたちの歓声に揺れながら、ブランコの弧とともに風景を描く。騒がしさとは無縁の、しかしどこか胸騒ぎを含んだ空気が、この小さな空間には漂っている。 都市のすきまに現れたこの異界では、誰もが少しずつ童心を取り戻し、パンダと同じテンポで時を過ごすようになる。
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