荏田町

荏田町は、名を変えずに時代を渡ってきた土地である。横浜市に編入され、区が変わっても、古い村名を胸に抱いたまま、静かに呼吸を続けている。かつて湿田を意味したという名の由来どおり、この町には水の記憶が深く染み込んでいる。

雨上がりの道に残る匂い、緑の多い小径の柔らかさは、土地が長く水と寄り添ってきた証のようだ。都市の利便が行き渡る一方で、どこか素朴で、足取りを緩めたくなる瞬間が随所に潜んでいる。新しい建物の陰に、古い地形や暮らしの気配がひそやかに残り、歩くほどに町の輪郭が立ち上がる。荏田町は、派手さではなく積み重ねで魅せる場所であり、訪れる者を静かな散策へと誘う、奥ゆかしい時間の入り口である。

荏田町の場所

荏田町・町名の遍歴・由来

昭和14年の横浜市へ編入の際、山内村大字荏田から新設した町。古くは都筑郡荏田村であった。明治22年の市町村制施行の際、元石川村・黒須田村飛地と合併して都筑郡山内村大字荏田となる。平成6年の行政区再編成に伴い、緑区から編入。町名は旧村名を採った。地名研究で「エダ」は「湿田」を意味するという。
(町名の遍歴・由来 横浜市青葉区)

荏田町の公園

荏田町のリンク集