榎が丘

榎が丘という地名には、丘の上に根を張る一本の大樹の気配が宿っている。かつて恩田村と呼ばれた土地は、時代の流れに身を委ねながら、静かに姿を整えてきた。区画整理によって生まれた街路は穏やかで、歩くほどに土地の呼吸が伝わってくる。榎田や榎久保の名に残るように、この一帯では古くから榎が人々の暮らしを見下ろしてきたのだろう。

枝を広げ、夏には影を落とし、秋には葉を鳴らす。その記憶は今も町の空気に溶け込んでいる。高低差のある道を進めば、住宅地の向こうに空が大きく開け、思わず足を止めたくなる瞬間がある。榎が丘は、歴史と生活が静かに共存する丘の町であり、歩く者をゆるやかな時間へと誘ってくれる。

榎が丘の場所

榎が丘・町名の遍歴・由来

昭和42年の土地区画整理事業の施行に伴い、恩田町の一部から新設した町。古くは都筑郡恩田村であった。明治22年の市町村制施行の際、奈良村・長津田村と合併して田奈村大字恩田となり、昭和14年の横浜市へ編入の際、恩田町となる。平成6年の行政区再編成に伴い、緑区から編入。町名は字名「榎田」、「榎久保」から「榎」の字を採って「榎が丘」と名付けた。
(町名の遍歴・由来 横浜市青葉区)

榎が丘の公園