荏田宿公園は、滑り台という行為に潜む哲学を真正面から問いかけてくる公園である。丘の傾斜をそのまま受け止めた大胆な滑り台は、空から地上へ一気に思想を放り投げる装置のようであり、旗を掲げて地面に構える滑り台は、静かな決意を胸に滑走を待っている。
どちらを選んでも、着地の瞬間に世界が少し違って見える。鉄棒で体を宙に預け、砂場で時間を掘り返していると、足元から昔の記憶が芽吹く。階段を下りた先に広がるグラウンドは、不思議なほど静かで、風景そのものが休息を勧めてくる。
荏田宿という名が示す通り、この公園は旅の途中で心をほどくための、やさしい宿場なのである。











