奈良五丁目駒狩公園には、物語の始まりを思わせる風景がある。
この公園は、おとぎ話「やまのせいくらべ」をモチーフとして整備されている。その世界観を最も感じられるのが、公園の山から伸びるダイナミックなローラーコースターだ。斜面に沿ってくねくねと続く長いコースは、ただ高低差を利用した遊具ではない。山の地形そのものを遊びへ変えたような存在で、頂上に立つと「ここから滑るのか」と少し胸が高鳴る。滑り始めれば景色がゆっくり流れ、カーブを曲がるたびに気分まで軽くなっていく。
けれど、この公園の面白さはそれだけでは終わらない。
ローラーコースターのふもとには、人研ぎ遊具が設けられ、さらにタイヤと組み合わせた遊具も並んでいる。一見すると素朴な組み合わせだが、登る、またぐ、渡ると遊び方が次々に変わり、気づけば夢中になっている。派手さではローラーコースターに譲るかもしれないが、この遊具たちがあることで、公園全体の遊びに厚みが生まれている。
奈良五丁目は、緑の多い落ち着いた住宅地だ。その穏やかな街並みの中に、この公園は少しだけ冒険の舞台を持ち込んでいる。それは絶叫するような刺激ではなく、山の地形や遊具を素直に楽しむ昔ながらの冒険だ。
おとぎ話をモチーフにした公園らしく、この場所では山そのものが遊び相手になっている。帰る頃には、あの長いローラーコースターが、物語の一場面だったように静かに思い返される。





















