大場富士塚公園に足を踏み入れると、日常の地面がわずかに傾き、冒険の重力が働き始める。中心に鎮座するのは、蟻地獄型滑り台という名の不思議な構造物で、渦を描きながら人を底へと誘う。
その曲線は視線を絡め取り、滑り出せば思考は一気に遠心力へと引き渡される。さらにもう一基、賑やかな姿の滑り台が控え、競うように存在感を放つ。子どもたちは挑戦者として何度も坂を駆け上がり、大人は慎重な観察者を装いながら心を揺さぶられる。
富士塚の名を宿すこの公園は、高さよりも気分を持ち上げ、遊びの本能を静かに呼び覚ます。ここでは滑ることが目的であり、同時に小さな旅の到達点でもある。












