新石川一丁目公園
アップデート:2025/07/27

新石川一丁目公園には、ひっそりと時間の流れを緩める魔法がかかっている。コンパクトなその空間に足を踏み入れると、まず目に入るのは、どこか夢の国から迷い込んだかのような動物たちの親子だ。キリンの親子が首を寄せ合い、象の親子はそっと地面に身を預けている。
その姿はじつに穏やかで、まるでこの街の喧騒など知らぬかのように、永遠の昼下がりを過ごしている。少し離れて見れば、この小さな公園そのものが一つの箱庭のように思えてくる。木々の葉音とやさしい風がそっと背中を押し、何も起こらぬことのありがたさを教えてくれる。何もない場所に、確かな癒しがある。



