あらい児童遊園
アップデート:2025/10/30

あらい児童遊園は、公園というよりも、街の呼吸の隙間のような散歩道である。細長い小径が家々のあいだを縫うようにのび、季節の風がその上を通り過ぎていく。遊具のない公園――それは一見、寂しいようでいて、実はとても贅沢な空間なのだ。
ただ歩くだけで、足音が心の奥まで染み込む。ベンチがひとつ、まるで道の番人のように置かれている。そこに腰かければ、木々の影がゆらめき、通り過ぎる風の気配まで聞こえてくる。
子どもたちの笑い声も、犬の足音も、夕暮れの鳥の声も、すべてが調和している。あらい児童遊園は、都市のざわめきの中にぽっかり開いた、静けさの小径である。


