堀口児童遊園
アップデート:2025/09/29
住宅街の狭間を縫うように伸びる細長い堀口児童遊園は、まるで街の隠しポケットのような公園だ。限られた空間の中に、背筋を伸ばした木々が点在し、滑り台や鉄棒、ブランコがきゅっと身を寄せ合っている。どれも小さな存在ながら、それぞれが自分の役割を誇らしげに果たしているかのようで、歩を進めるほどに不思議な親密さが漂う。
奥へ行くとパーゴラ付きのベンチがひっそりと腰を据えており、木漏れ日の揺らぎを受けながらひと息つける憩いの席となる。住宅街のざわめきから一歩だけ外れたこの場所では、時間が指先からこぼれるようにゆっくりと流れ、訪れた者に密やかな休息を授けてくれる。