上犬目児童遊園は細い入口から始まる。まるで秘密の抜け道のようなその通路を抜けた瞬間、ふいに細長い空間がすっと開ける。外界の喧騒が一歩ごとに遠のき、空気はやわらかく、時間はすこしだけ遅く流れはじめる。
中心にある砂の景色は、派手さこそないが不思議な吸引力を持ち、ぼんやり眺めているだけで心がほどけていく。足あとが重なり、風が模様を描き、陽だまりがゆらぐ。その変化をただ静かに見守る贅沢がここにはある。
細長い形状ゆえに生まれる奥行きは、小さな冒険の余韻を残し、帰るころにはほんの少し世界がやさしく見える。








