唐松公園
アップデート:2025/09/09
唐松公園に足を踏み入れると、まず漂ってくるのは静かな落ち着きだ。その空気のなかで、ひときわ鮮やかに浮かび上がるのがカラフルな滑り台やブランコである。穏やかな景色の中に、小さな異世界がぽつりと置かれたように、子どもたちの笑い声を呼び寄せる。
隣接するグラウンドとはフェンスで明確に区切られており、ボールが飛び込んでくることもなければ、喧噪が侵入してくることもない。だからこそ、遊具に集う世界と、走り回る世界は、それぞれに自分の物語を守り抜くことができる。ひとつの公園の中に、二重の時間が流れているようで、訪れる者はその狭間を行き来しながら、不思議な心地よさを味わうのである。