川口西ちびっこ公園
アップデート:2025/09/06
川口西ちびっこ公園は、まるで小さな舞台を切り取ったような不思議な空間だ。コンパクトな敷地の中で、滑り台とベンチが正面からにらみ合い、互いに存在意義を誇示しているかのように立っている。
片や子どもたちの歓声を背負い、滑ることで時間を飛び越えさせる滑り台。片や腰を下ろした人々に沈黙を与え、思索の渦へと誘うベンチ。
本来ならそのあいだを取り持つはずのスプリング遊具は、今はしずかに力を抜いて休止しており、均衡を保つ役目を放棄してしまったかのようだ。その静けさがかえって、遊具とベンチの奇妙な緊張感を際立たせる。小さな公園でありながら、そこには日常を越えた物語の気配が満ちている。