谷保第二公園
アップデート:2025/07/07

谷保第二公園に足を踏み入れた瞬間、誰もが目を見張る。そこに鎮座するのは、異様なまでに大きなカバである。ただの彫刻ではない。堂々たるこのカバは、実はトイレなのである。トイレという概念をここまでファンタジーに昇華できる公園が、ほかにあるだろうか。
しかもその傍らには、やけにリアルな小さなカバが控えており、どうやらこの巨大な個体は彼の親か、はたまた守護神か。
園内をよく見渡せばライオンが所在なげに退避しており、まるでこの土地の支配権をカバに明け渡したかのようである。カバが支配し、カバが護るこの不思議な公園は、もはや動物園でもなく遊園地でもない、カバによって編まれた一篇の寓話である。
滑り台やブランコなどの遊具すら、カバの物語の脇役として脈絡を与えられている。谷保第二公園は、夢と現実のあわいに佇むカバの王国である。










