ゆうき山公園
アップデート:2025/08/03

ゆうき山公園に足を踏み入れると、まるで山の精霊がそっと呼びかけてくるようだ。散歩道は緑の迷宮となり、登れば木々のざわめきが耳に届き、下れば土の匂いが心を和ませる。
途中にはぽつり、ぽつりとベンチが現れ、旅人を待つ古の案内人のように腰を下ろすことを誘う。遊具はいたって控えめで、ブランコと砂場だけがひっそりと佇むが、それがかえって山の気配を壊さず、訪れる者に自由な物語を紡がせる。
風が葉を揺らし、どこからか鳥が飛び立つ音がする。そこでは都会の時間が遠ざかり、子どものころの冒険心がふつふつと蘇る。ゆうき山公園は、忘れかけていた“山と遊ぶ歓び”を静かに思い出させてくれる隠れ家のような公園である。






