深沢三丁目公園
深沢
アップデート:2026/05/03

深沢三丁目公園は、いささか拍子抜けするほど簡素な顔つきをしている。限られた空間に置かれているのは、飛行機のスイング遊具と、ぽつりと据えられたベンチだけである。だがその簡素さゆえに、ひとつひとつの存在が妙にくっきりと浮かび上がる。
飛行機に身を預けて揺れていると、狭いはずの空間がふと広がり、視界の端に見えぬ空の気配が差し込んでくる。実際に飛び立つことはないと知りながら、揺れに合わせて心だけがわずかに浮き上がるのが不思議である。
ひとしきり揺れを楽しんだあと、ベンチに腰を下ろせば、時間は急ぐ理由を失う。何もないと思われたこの場所に、わずかな動きと静けさが共存し、気づけばただそこにいること自体が、ひとつの充足へと変わっていくのである。

