新宿区公園探訪
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荒木町という名を聞くたび、胸の奥で静かに灯がともる。かつて花街として栄えた路地は、今もなお細く曲がりくねり、夜の気配をふくんだまま、訪れる者をそっと迷わせる。坂の多い地形は、まるで時間そのものが波打っているかのようで、上るたびに日常が少しずつ遠ざかり、下るたびに知らぬ物語へ足を踏み入れてしまったような心地がする。
石畳の影を伝うように灯るスナックの看板、木造家屋の軒先に漂う古い酒の匂い、路地の隙間からふわりとのぞく植木鉢の緑。それらが互いに響き合い、荒木町全体をひとつの静かな物語にしている。歩くほどに足取りはゆるみ、街の息遣いが肩越しに寄り添ってくる。
ふと見上げれば、都会の真ん中とは思えぬほど夜空が深い。ここでは喧騒も光も適度に薄まり、心の奥に眠っていた遊び心がそっと顔を出す。寄り道を重ねるほど、この小さな町は不思議な魅力を増し、最後にはもう一度来なければならないような気持ちにさせてしまう。荒木町とは、そんな不思議な磁場を宿した街である。