新宿区公園探訪
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東榎町という名を耳にすると、なぜだか胸の奥に柔らかな風が吹き抜ける。細い路地がゆるやかに折れ曲がり、古い家々の軒先が寄り添うように並ぶその町は、都会の鋭さをほんの少しだけ忘れさせてくれる。不揃いな石畳の感触はどこか懐かしく、歩を進めるたび、子どものころに迷い込んだ秘密の抜け道を思い起こさせる。
町を包む空気には、日なたの温度と木の匂いが混ざり合ったような、静かな安心感がある。ふと視線を上げれば、古い家の二階から垂れる蔦が風に揺れ、遠い季節の記憶を揺り起こす。新しい建物の間にそっと忍び込む昔ながらの商店が、まるで時の狭間から顔を出すように佇み、町全体に独特のリズムを刻んでいる。
夕暮れが訪れると、路地の色合いは金色から群青へと溶け合い、東榎町は静かな魔法に包まれたかのような趣を帯びる。歩けば歩くほど心がゆるみ、知らぬ間に自分の呼吸までもが町のリズムに合わせてゆく。気づけば、また訪れたくてたまらなくなる。東榎町とは、そんな柔らかな余韻を残す町である。