新宿区公園探訪
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市谷船河原町という名を辿るだけで、水の匂いと古い都の残り香が胸の奥でそっと揺れる。外堀の水面は季節ごとに色を変え、朝夕には光を受けて淡い銀色に輝く。その脇を歩くと、都会の喧騒がすっと背中から離れ、ゆるやかな水音が足取りを軽くしてくれる。かつて舟が行き交った名残が、欄干の影や石垣の端にひそやかに息づき、ふとした瞬間に時間の深みへ引き込まれる。
路地へ入れば、古い町家と新しい建物が寄り添うように並び、互いの記憶を混ぜ合わせながら独特の景観をつくり出している。植木鉢の緑が軒先で揺れ、窓辺に残る生活の気配が、旅先の宿のような穏やかさを漂わせる。視線を上げれば、神楽坂方面へ続く坂道が静かに伸び、歩く者を軽やかに誘ってくる。
夕暮れになると、水面に落ちる灯りがゆらゆらと揺れ、町全体が薄明かりの幕に包まれる。外堀に映る影の揺らぎを眺めていると、ここが都会の狭間にひっそりと息づく、特別な時間の溜まり場であることに気づく。気づけばまた訪れたくなる、静かな余韻を残す町である。