新宿区公園探訪
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下落合という名は、妙正寺川と神田川が静かに身を寄せ合う場所から生まれた。二つの流れが混ざり合う谷間には、昔から水を求める人々の営みが集まり、江戸の初めには染色の鮮やかな布が川風にはためき、町の空気をほのかに彩っていたという。今でもその面影は消えず、洗張やクリーニングの小さな工房が点々と並び、川沿いに漂う微かな湿気とともに過去の気配を伝えてくる。
台地へ上がれば穏やかな住宅地が広がり、一転して静けさが支配する。低地へ降りれば川の存在が強まり、かつて洪水に怯えた時代の記憶がほんのり残っている。サイレンが鳴り響いたという昔の話が、水面に反射する光の揺れとともにふと胸をよぎる。
そうした歴史の重なりが、下落合の空気を独特の深みに染めている。歩けば変化に富んだ地形が次々と姿を変え、川端の細道では、時代の層が重ね書きされたような風景に出会う。静かでありながら物語に満ちた町、それが下落合である。