新宿区公園探訪

新小川町

新小川町という名を口にすると、水辺の気配がそっと胸の奥で波立つ。神田川がゆるやかに流れ、川沿いの道には光が筋となって落ち、歩くたびに穏やかな時間が足元から立ちのぼる。高層ビルの影が伸び縮みする都会の中心にありながら、この町には不思議な静けさがあり、風の音までもがどこか柔らかい。

川沿いの桜並木が季節ごとに表情を変え、春には淡い花びらが空気を漂い、夏には濃い緑が影をつくる。古くからの住宅地が根づく路地では、植木鉢がひっそりと並び、家々の窓辺からは生活の温度が漏れ出している。新築の建物が混ざり合いながらも、町がまとう穏やかなリズムは変わらず、歩く者の心をゆるやかに整えてくれる。

夕暮れが訪れると、川面に灯りが淡くにじみ、街の輪郭が柔らかく揺れる。水と光が寄り添うその光景は、遠い旅先の記憶のように胸に沁み、もう一歩だけ先へ進みたくなる。新小川町は、日常の端にひっそりと潜む物語がふいに姿を現し、訪れる者をそっと引き寄せる不思議な町である。

新小川町の場所

新小川町・町名の遍歴・由来

新宿区の北東角に位置し、南北に長い長方形をしている。北と東は神田川に面し対岸の文京区と5つの橋で通じる。南は新宿区下宮比町・津久戸町・筑土八幡町に、西は新宿区東五軒町に接する。神田川沿いの平地でほとんど坂はない。また川沿いの地所は護岸よりも低いため、分水路が整備された1990年頃までは集中豪雨の度に床下・床上浸水に悩まされた。他の牛込地域と同じくオフィスと住宅が混在し、出版・印刷関連の事業所が多い。 (新小川町 - Wikipedia)

新小川町の公園

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