新宿区公園探訪

白銀町

新宿区白銀町という名を耳にしただけで、どこかきらりとした光が胸の奥にともる。港区白金のように、この町にも豊かさへの願いがこめられたという由来があるらしい。だが、実際に歩いてみると、その輝きは金銀財宝の類ではなく、むしろ人々の暮らしの中にしずかに宿る温かな光であることに気づく。

大きな通りから少し離れると、細い路地が網の目のように延び、古い家々と新しい建物が肩を寄せ合っている。午後の陽射しが壁面を滑り、淡い銀色の陰影を落とすたびに、町の名がふと現実と重なって見える。小さな飲食店から漂う湯気や、通り抜ける風の匂いまでもが、どこか上品で、しかし気取らず、住む人々の穏やかな気質を映しているようだ。

白銀町には、大それた monument はない。ただ、歩くほどに心を満たす、不思議な落ち着きがある。名前に込められた祈りが、いまも住まう者や訪れる者の足元を、そっと明るく照らし続けている。

白銀町の場所

白銀町・町名の遍歴・由来

白銀町では1988年(昭和63年)2月15日、近隣の筑土八幡町、津久戸町、下宮比町などともに住居表示を実施。実施後も旧来の町名が残された。
(白銀町 (新宿区) - Wikipedia)

白銀町の公園

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