新宿区公園探訪

若松町

若松町は、都会のただ中にありながら、不思議な静けさが息づく町だ。大通りから一歩奥へ入ると、時の流れがゆるやかに変わり、どこか淡い色合いの風景が広がる。かつて武家屋敷が立ち並んだ名残を思わせる道の曲がりや段差が、今もそっと町の輪郭を形づくり、歩く者を自然と探検家へと変えてしまう。

若松町には、生活の匂いと物語の気配が同居している。古い家屋の影から新しい建物が顔を出し、路地に差し込む午後の光が、まるでこの町だけの秘密を照らすように落ちてくる。小さな公園や坂道の先に、ふと心が軽くなる瞬間が潜んでいる。

喧騒の都心に寄り添いながらも、自分の呼吸を取り戻せる場所。それが若松町の魅力である。歩けば歩くほど、自分だけの小さな物語がひっそり芽生える、そんな町だ。

若松町の場所

若松町・町名の遍歴・由来

豊島郡牛込村であったが、江戸時代の1705年に江戸町奉行所の支配になり、牛込若松町が起立。商家のほかに武家屋敷などもあった。明治維新後、武家地等を併合。1876年三十人町・原町・市谷河田町の各一部を併合して町域が確定。大銀杏(寶祥寺一帯)・戸山前(総務省統計局一帯)・川向(東京女子医大一帯)という小字も存在していた。1911年に「牛込」の冠称を外す。新大久保と牛込神楽坂の中間を位置している所から都電が通り、戦後はゴルフ場やパチンコ店などができ周辺の住民にとって昔は比較的便利なところであった。 (若松町 (新宿区) - Wikipedia)

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