出羽坂児童遊園は、坂道の途中にそっと身を寄せるように広がっている。名の通り出羽坂に寄り添い、風が抜けるたびに木々がふるりと身を震わせ、訪れる者をひっそりと迎え入れる。
ブランコはゆるやかな傾斜に身を預けるように揺れ、足を放てば坂の向こうへ飛び出すかのような軽やかさを感じさせる。しかし、この公園の真価は、別のところに潜んでいる。
園内には、無邪気な表情の動物たちが並び、まるで小さな番人のように園内を見守っている。彼らと並んで腰を下ろすと、すぐ横を鉄道が通り抜ける。静寂がわずかに揺らぎ、金属の響きが坂道に染み渡る。トレインビューという特別な時間が、ここでは日常の一部のように自然に流れていく。
動物たちの背中越しに眺める車両は、不思議と旅情を帯びて見え、ふらりとどこかへ連れ去られそうになる。坂の途中という場所が、世界と少しずれているような感覚を生み、訪れた者の心に静かな余白を残していく。
ブランコもいい。しかし最も贅沢なのは、動物たちと肩を並べながら、去っていく列車をゆっくりと見送るひとときなのだ。










