新左門児童遊園
アップデート:2025/12/05
新左門児童遊園を訪れると、まず目に飛び込んでくるのは中央に鎮座する山型遊具である。青い表面は空のかけらを削り取って貼りつけたように鮮やかで、裏側にまわれば石垣めいた無骨な表情が現れ、まるで一つの身体に昼と夜を宿した不思議な小山のようだ。その高低差の陰影は、登る者の心に小さな冒険心を呼び覚まし、足元の砂はしんと静まり返った森の入口のように感じられる。
奥へ進むと、突然、色とりどりのパラソルシェルターがぱっと広がる。赤や黄色や緑が風に揺れ、光を受けてひらひらと舞う影を地面に落としている。その下に立つだけで、自分が知らぬうちに旅商人の市場へ迷い込んだような心地がする。ここでは時間も日差しも、どこかゆるやかに屈折し、訪れる者をやさしい色彩の世界へ招き入れる。
新左門児童遊園は、日常の隙間に潜む小さな異国だ。訪れれば、いつもの景色が不思議な色を帯び始める。










