諏訪公園
アップデート:2025/06/02

諏訪の名を冠しながら、どこか異界との境界を思わせるその地には、ひっそりと展望台が佇んでいる。コンクリートの肌は時を経てくすみ、昭和の残り香をまといながら、公園のてっぺんに堂々と腰を下ろしている。
地上では、キリンが無言の咆哮を空に向け、パンダとカンガルーは謎めいた任務に追われているのか、なぜか忙しそうに姿を消す。遊具という名の奇獣たちは、今や静かなる演者。すべてが少しずつズレた現実の中で、子どもも大人もいつの間にか時間の迷子になる。ここはただの公園ではない。物語の入口、あるいは出口。










