新宿区公園探訪

アスレチックがある公園

アスレチック

不意に姿を現すアスレチックは、都市の隙間にひそんだ冒険の残響のように立ち並んでいる。木製の梁は長い年月を吸い込み、陽光に磨かれた褐色の艶を帯び、ロープは無数の手の記憶を編みこんだように筋立っている。そこに足を踏み入れた瞬間、心はひそやかに形を変え、平穏な日常がいつの間にか物語の入口へと姿を変える。

ぐらりと揺れる吊り橋は、慎重さと大胆さの境目を試してくる。丸太のステップは、すべて微妙に癖があり、踏み出すごとに身体の奥の眠っていた感覚が目を覚ます。ロープネットに手をかければ、腕に宿る力の鼓動がかすかに増し、登るたびに視線は高みへ、心はさらに遠くへ伸びていく。

アスレチックは、子どもだけの遊び場ではない。大人になって忘れかけていた「挑む歓び」をそっと取り戻すための隠れ家でもある。木漏れ日の下で汗ばむ指先を感じるたび、ふと胸のどこかが軽くなる。気づけば公園全体が、冒険者の心を呼び覚ます広大な舞台へと変わっている。

リンク

アスレチックがある公園

新宿区公園探訪