新宿区公園探訪

健康遊具がある公園

健康遊具

公園の片隅に、ひっそりと佇む健康遊具は、日常の外側に開いた奇妙な修行場のように見える。鉄のバーや回転する円盤、足裏を刺激する凹凸の板――いずれも無駄のない形をしているのに、どこか人を誘う妖しさを帯びている。近づくほどに、その静かな存在感が胸の奥でざわりと揺れ、気づけば触れてみたくなる。

ひとつ握れば金属はひんやりとして、背筋がすっと伸びる。身体を回せば風が肩を撫で、足を掛ければ普段は意識しない筋肉が目を覚ます。奇妙な運動に身を委ねていると、まるで自分が知らぬうちに公園の精霊と取引をしているような心地が生まれる。疲れを手放せば、その分だけ新しい活力が胸に宿る。

健康遊具は、ただ鍛えるための機械ではない。風の流れや木々のさざめきと結びつき、心と体をゆっくりほぐしていく小さな儀式の場なのだ。ほんの数分でも、その不思議な儀式に身を置けば、世界がわずかに軽くなる。だからつい、散歩の途中に立ち寄りたくなる。

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