松風台公園は、風の通り道がうっかり公園になってしまったような場所である。足を踏み入れると、まず堂々たる砂場が現れ、その縁には砂を愛するカバが、いかにも満足そうな顔で鎮座している。子どもたちはその足元で砂を掘り、山をつくり、壊してはまたつくる。その光景を見ていると、時間まで砂のようにやわらかく流れている気がする。
砂場の周囲では想像力が好き勝手に暴れ回り、城が築かれ、山脈が隆起する。その隣には遊具エリアが控え、身体は自然とそちらへ導かれる。しかし、この公園の魅力はそれだけではない。地形を巧みに利用した遊歩道が、高低差をまといながら園内を巡っているのである。
歩けば風景は少しずつ形を変え、同じ場所を歩いているはずなのに、なぜか別の場所へ迷い込んだような気分になる。坂を上り、木々の間を抜け、また下る。その繰り返しのうちに、散歩は散歩であることを忘れ、小さな冒険へと姿を変える。
子どもは遊び、大人は歩く。そして、ときどき立ち止まって風に吹かれる。松風台公園には、特別な仕掛けがあるわけではない。それでも帰るころには、少しだけ気持ちが軽くなっている。そんな穏やかな力を持った公園である。



















