百合丘第3公園
アップデート:2025/11/16
百合丘第3公園。このなかなか広いこの公園は、ただ広いだけではなく、まるでひとつの街区をまるごと縮めてしまったような多彩さを秘めている。エリアごとに色調も気配も異なり、歩くほどに景色が少しずつ変わっていく。
遊具エリアに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは壮観なブランコ群だ。八つの座面が風に揺れ、それぞれが空へ伸びる弧を描いているさまは、小さな天空の港のようで、眺めているだけで胸が軽やかになる。
その横には滑り台があり、砂場があり、鉄棒があり、かつて自分の小さな手足が覚えていた感覚をそっと呼び起こしてくれる。遊具と遊具のあいだは広めの階段でつながれ、高さの違うエリアを気ままに行き来できるつくりになっている。
その段差のおかげで、同じ公園の中に小さな丘や舞台が生まれ、子どもも大人も自然と探検心をくすぐられる。
グラウンドは見渡すほどの広さがあり、風が通り抜けるたび土がゆるやかに光を返す。走り回るにも、ぼんやり立ち尽くすにも似合う器量の大きい空間だ。
そして、公園の片隅にはアート作品のような椅子がひっそりと置かれていて、歩き疲れた身体を預けると、不思議と周囲の景色の輪郭までもやさしく滲んでくる。ここでは遊ぶ時間も、休む時間も、どちらも等しく豊かに流れていく。











